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保有する株式に関する株主権の行使について

投稿記事Posted: 2020年11月02日(月) 18:07
by 事務担当K
公益財団法人(以下、「A法人」とする。)は、基本財産として、ある一般会社(以下、「B社」とする。)の株式を所有しており、A法人の定款には、「法人が保有する株式について、その株式に係る議決権を行使する場合には、・・・・理事会の承認を要する。」と規定し、職務権限規程では「決裁基準に記載のない場合には、定款に定める場合を除き、理事長先決事項とする」と定めています。

【質問1】
この場合の定款の解釈ですが、議決権の行使は、理事会の承認を要するが、その議決権の行使の対象となるB社の株主総会の招集については、理事長の専決事項になるという理解でよろしいでしょうか。

【質問2】
B社の株主総会で報告のみを求める場合には、議決権の行使に当たらないから、これも理事長の専決事項になることでよろしいでしょうか。

【質問3】
 一般的に、公益法人が株式を保有している株式会社に対し、役員の選解任などについて提案するために株主総会を招集することは問題があるのでしょうか。
もしあるのであれば、どのような問題があるのか、例をお示しいただけないでしょうか。
また、問題がないとしても、公益法人として気をつけなければならない点があれば、ご教示ください。

Re: 保有する株式に関する株主権の行使について

投稿記事Posted: 2020年11月10日(火) 14:34
by 公法協相談員星田寛
事務担当K 様

投稿ありがとうございます。
ご質問の趣旨、状況がいまいちわかりませんが、意見を述べます。
措置法40条の承認を得て株式を保有されていれば、議決権つまり株主権行使については税制の要件を満たした理事会決議が必要と考えます。
また、定款に保有株式についての株主としての議決権行使について理事会決議事項と定めてあれば、定款の定めに従う必要があります。
定款の下部規程である「職務権限規程」には、「定款に定める場合を除く」とあり、当然に定款に従うべき事項を除いています。
定款に記載のない事項とのご判断ですが、株主権行使としての議決権行使ですから、
総会招集、議案提案も、定款に定める「議決権」に含まれるものと考えるのが合理的と考えられます。
議決権行使を理事長に一任する場合でも、理事会にて都度決議する必要があります。
質問1の「B社の株主総会の招集」はB社の取締役会で決めることと考えますので、株主である貴法人、理事長の決めることではないと理解しています。
決議の対象(事項)が「B社の株主総会の招集」であっても、株主である貴法人、理事長が決めることでないと思います。
質問2の「B社の株主総会」の通知に、報告事項のみであれば、議決権行使する議案がないので、出席するか否かは理事会決議事項ではありません。
質問3のB社の株主が株主総会招集の要請、役員選解任等の議案を提案する場合については、会社法及び保有される会社の定款の定めを確認してください。
議決権行使は理事会決議事項になります。その前の招集の要請、議案の提案は理事会決議の定めは職務権限規程には明確にしていない(理事長のように思う)でしょうが、
法人の重要な財産にかかわる事項であり、B社は貴法人からの要請を受けて総会通知があり議決権行使に至るので、当然に結果として理事会決議が必要となります。
また理事会決議事項の趣旨から、事前に前もって理事会にて全体的・包括的に審議されることガバナンスの視点からも大切ではないかと考えます。
なお、株主としての招集の要請、議案の提案そのものが一般法、認定法の定めに抵触することはないと考えます。
これらの提案の是非は総合勘案してまさしく理事会が検討する事項と考えます。
                                                      以上 星田寛